「や、やっぱり急に泊めて欲しいって言われても困るよね。私、パーティー終わったら家に帰るから……」


「全然困ってねぇよ。」


申し訳なさそうな表情をする花奏を見て、首を横に振る。


「花奏なら、気軽に泊まりに来てもらって構わないから。この前のデートの時も、同じようなこと言ったろ?」


「うん…。ほ、本当にいいの?」


「もちろん。」


物騒な世の中だし、夜…花奏を一人にするのは危ない。


俺が傍で守らないと。


「良かったぁ…。最近、近所で空き巣被害とかあったから夜を一人で過ごすの不安だったの…。眞紘くんが一緒なら心強いよ…。」


ホッと安心したのか、表情をフワリと和らげる花奏に笑顔で頷く。


ふと、頭の中で慶介の忠告が再生された。


“くれぐれも、理性を飛ばさないようにな。暴走して白石に嫌われないようにしろよ?”


……大丈夫か、俺。


あの時は泊まらないこと前提で考えてたから、なんとか乗り切れると思ってたけど…


一晩、花奏と二人きり。


理性保てんのか…?