その翌日の昼休み。


屋上で、まったりと昼飯を食べていると…


「眞紘くん、あの……」


隣に座っていた花奏が食べる手を止めて、躊躇いがちに口を開く。


「ん?何?」


「き、金曜日のことなんだけど……」


その表情は、気まずそうな雰囲気を漂わせていた。


金曜日って、花奏の誕生日だよな。


部屋でパーティーをするよりも、どこかに出掛けたくなったとか?


それとも、二人でお祝いじゃなくて、花奏の家族も含めて、みんなでパーティーをしたいとか?


「私、眞紘くんの家に……泊まってもいい?」


………えっ!?


大きく目を見開く。


聞き間違え、とかじゃないよな?


予想を遙かに超えた言葉が飛んできただけに、反応が上手く出来ずに固まってしまった。


「実は、今週の土曜日にお母さんたちが親戚の結婚式に呼ばれてたの忘れてて…。遠方だから金曜日に前泊するらしいんだ。そうなると、家に私一人になるでしょ?一人だと防犯上…危ないから、眞紘くんの家に泊まらせてもらいなさいって言われて…。」


なるほど。


そういう事情があったのか…。