「いや、良くはねぇけど…」


「星川に距離を置かれんの怖がってたら、現状なんて…いつまでも変わらないんじゃねぇの?」


ハッと気付いたように目を見開く慶介。


「今の、もしかして…」


「前に、慶介が俺に言ったセリフだよ。多少、アレンジしたけど。」


あれは、俺が幼なじみ以上の関係に進展させたいと悩んでいた時。


花奏に避けられるのが怖くて、積極的に攻めるのを躊躇ってた俺の背中を押してくれた言葉たちだ。


あの日、コイツが励ましてくれたから、後ろ向きだった心が前進し始めたんだ。


その後だって、緊張で告白に踏み切れない俺を勇気付けてくれた。


力強く応援してくれた。


だから、今度は俺が…


慶介の背中を全力で押す番だ。