「それって、夏波がヤキモチ妬いてくれてるって捉えていいのかな?眞紘、どう思う?」


「間違いなく、嫉妬してんだろ…それ。星川が、お前を一人の男として意識してるからこその発言じゃん。」


みるみるうちに、赤みを帯びていく慶介の頬。


真剣だった顔が緩やかに綻ぶ。


「うわ、参ったな…。夏波の言葉が、こんなに嬉しく感じるなんて思ってもみなかった。」


小さい頃から落ち着いた雰囲気で、冷静なヤツなのに…


すげぇ照れくさそうにニヤケてる。


コイツも、こういう表情するのか…。


星川の妬いた話を聞けば喜びそうだとは思ってたけど、想像以上だな…これは。


照れを紛らわせるかのように鼻を指でこする姿に、笑みが零れる。


「あともう少しじゃねぇの?お前らの距離。」


「だといいけど…。浮かれて突っ走って、アイツに気持ちをぶつけたら、余計に距離置かれるかもって考えると踏み出すのが怖くなる。前に抱きしめた時も戸惑わせたぐらいだし…。」


だんだん表情が曇っていく慶介をジッと見つめた。


「……お前、本当にそれでいいのか?」