「結城君、すごいことになってるね。」


何人もの女の子が眞紘くんの周りに集まっている光景に、なっちゃんは目を見開く。


朝よりも増えてる女の子の人数。


みんな、嬉しそうな表情だ。


眞紘くんが私の幼なじみだなんて信じられないぐらい、遠い存在に感じる…。


再び、チクチクと痛み始める胸。


ジーッと眞紘くんの席の方を見つめていると、なっちゃんが私の顔を覗き込んだ。


「花奏、眉間に少しシワ寄ってるよ?」


「えっ…」


私、そんな顔してるの…!?


慌てて眉間を手で覆った。


「あんなにモテると、幼なじみの花奏としては複雑だよね…。変な女に絡まれたりしないか…とか心配になるでしょ。」


「そ、そんなことはないけど…」


心配…とは、違う感情。


それより何より、他の女の子たちと…あまり仲良くして欲しくない…。


モテないで欲しい…。


「あ……」


そうか、分かった…。


このモヤモヤした気持ちも、チクチクする胸の痛みも…。


私、女の子たちに嫉妬してるんだ…。