「でもさぁ、新聞部が記事にしようと思ったのは、結城くんの“付き合ってる宣言”が原因だろうし、仕方ないんじゃない?」


「……いや、別に記事をどうこう言ってるわけじゃねぇよ。俺がムカついてんのは写真。」


指差す先には、記事と一緒に載っている一枚の写真。


おそらく、放課後に教室で私と眞紘くんが二人でお喋りしてるものを、隠し撮りしたものだ。


「花奏の可愛い笑顔を他の男たちに知られるなんて、腹立たしいだろ。この笑顔は、俺だけが独り占めしたいんだよ。」


それって、もしかして…


「眞紘くん、妬いてくれたの?」


「当たり前だろ。」


即答されて、自然と頬が緩む。


好きな人のヤキモチって、いつも思ってることだけど、とても嬉しい…。


ただ、眞紘くんの場合…ちょっと妬きすぎじゃないかと思うこともあるけど…。


「ゆ、結城くんは、他に…どんな時に嫉妬するの?」


いつになく、ぎこちない声で切り出すなっちゃんに、私も眞紘くんも瞬きを繰り返した。