「俺のこと、誰よりも…よく分かってくれてるじゃん。」


「眞紘くんのこと…?」


「ああ。今日みたいに俺が気に入るようなもの的確に見つけてくれるし、食べ物の好き嫌いだって把握してくれてる。小さい頃から俺のこと知ってくれてるから、色んな思い出だって共有出来る…。そういうの、花奏にしか出来ないことだろ?」


胸が、目頭が、ジワリと熱くなっていく。


「だから、自信持てよ。花奏に敵う女なんて、どこにもいねぇんだから。」


「……っ…、うん…」


滲んだ視界。


頬をつたった温かい雫。


眞紘くんは私の後頭部を自分の胸の中に引き寄せた。


「花奏のことが好きでたまらねぇのに、みんなの前で気持ちを抑えるなんて、キツいんだよ…。どんな時も、俺は花奏の彼氏として隣に居たいんだ…。」


そっか…。


今日…買い物に誘ってくれたのは、私に気付かせるためだったんだ。


釣り合わない、相応しくない…って悩んでいた私に、そんなことないんだよ…って。


背中、押してくれたんだね…。