陸上地区大会の日、なっちゃんのことが好きだと矢口くんからハッキリ聞いたわけだけど…


まさか、その日に告白するなんて…。


すごいなぁ…。


感動していると、矢口くんは気まずそうな表情で首を横に振った。


「あ、いや…違うんだ。」


「えっ?」


「告白したんじゃなくて、告白をしようとした…って言おうとしてたんだ。」


「そ、そうだったの?早とちりしちゃって…ごめんね。」


ちゃんと最後まで矢口くんの話を聞いていれば良かった…。


恥ずかしい…。


「いいよいいよ、俺も紛らわしい言い方しちゃったから。実は、夏波の家で打ち上げした後に、アイツの部屋で大会の話をしてたんだけど、その時にアイツが泣き始めたんだ…。」


「お前が泣かせたとか?」


疑いの眼差しを向ける眞紘くんに矢口くんは少し眉をしかめた。


「違ぇよ。夏波、決勝で2位になったのが悔しかったらしい。僅差だっただけに余計に悔しさも大きかったんだろうな…。」


そっか…。


なっちゃんが泣くところって殆ど見たことないから、今回は相当悔しかったんだな…。