「それで、実際…どういう関係なわけ?遠恋してた彼女…とか?」


「違うよ、幼なじみ。」


「お、幼なじみ!?」


意外な答えだったのか、タツは目を見開いて驚いた。


「いや、でも…お前が物思いにふけりながら花奏ちゃんの名前を呟いてたところや、さっき…俺が花奏ちゃんのことを口にした時の動揺っぷりから察するに、普通の幼なじみって感じがしないんだけど…。」


「……俺が一方的に片想いしてんだよ、花奏に。」


「えっ、そうなのか?」


「ああ。」


小さく頷く。


正直に話してしまったことが照れくさくて、タツから視線を逸らした。


「花奏ちゃん、お前の気持ちに気付いてないのか?」


「……多分。花奏の中では幼なじみどまりだと思うよ。」


「そっか…。男女の幼なじみって、自然に恋愛関係に発展しそうなイメージを勝手に持ってたんだけど、違うんだな。」


「そんなに簡単じゃねぇよ。」


幼なじみだからこそ、距離が近すぎて難しい。