「な、何だよ…バカって。」


予想外の言葉に眉をグッとしかめる。


不快感を露わにする俺を気にする様子もなく、慶介は呆れ顔だ。


「眞紘が、ハードルを無謀な高さに上げてるからだよ。」


「は?」


意味がサッパリ分からない。


不満をくすぶらせながら、首を傾げた。


「好きな子に告白するのに、全く緊張せずに言えるヤツなんていねぇだろ。そんなところにイチイチこだわってたら、永久に告白出来ねぇと思うけど?」


「別に、こだわってるわけじゃ……」


「緊張して上手く言葉に出来なくても、声が裏返っても、顔が赤くなっても、それは…カッコ悪いことじゃねぇよ。告白は、素直な気持ちを素直な言葉で…。そうすれば、お前の想いは…きっと白石に届くから。」


「……慶介…」


「まあ、俺も偉そうに人に言えるような立場じゃねぇけどさ…。」


苦笑する慶介を見ながら、首を横に振った。