―茜SIDE―
「紗理ちゃん〜瑞季が意地悪するよ〜」
「はいはい、茜が瑞季のこと好きなのは、よーく分かりましたよ〜」
「うん。好きだよ?」
教室の紗理ちゃんの机で女子会中。
お菓子食べ過ぎでしょ、紗理ちゃん!
「そういう好きじゃない〜あたしが言ってるのは、恋愛として!」
「恋愛?!……瑞季は、そーいうのじゃないもん…」
「はぁ…まだそんなこと言ってるの?!」
「だって〜」
実は、私は、瑞季のことが好きなんです…。
でも、瑞季はあたしのこと、お姉ちゃんみたいに思ってるから…。
この気持ちは迷惑だから、あたしも、瑞季のことを、弟だって思うようにしてる。
だから、瑞季のことを、何度も弟って言ってるのは、自分に言い聞かせてるんだと思う。
だって…瑞季のちょっとした言動で、喜んだり、悲しんだりして…。
この気持ちは、紗理ちゃんしか知らない。

