君思い、月を見る

恋愛(その他)

桐野咲哉/著
君思い、月を見る
作品番号
1314375
最終更新
2016/03/29
総文字数
0
ページ数
0ページ
ステータス
未完結
PV数
0
いいね数
0
「嫌いじゃないよ」

人気のない校舎裏に呼び出して先輩のその言葉に喜んでいいのか分からない。
だって「好きでもないけど」ってことだよね?
この場合、お友達から始めましょう、そう聞こえるのは私だけ?

壊れたブリキのおもちゃみたいにギシギシギシと首を動かし、どうせいるの知ってるのよ、力をちょうだい。
願うように草影に隠れている友人に助けを求める。しかし、荷が重すぎたのか誰一人出てこない。

薄情もの~‼

もう、宿題写させないから! 掃除の当番も変わってあげないからっ‼

呪いをかけんばかりに草の向こうにいるはずの友人へ圧力をかけた。


「じゃあ、俺部活あるから」

え?
それだけで終わり?
嘘だ、信じられない。
信じたくない。

しかし、現実はそんなに甘くはなかった。

誰だか知らないけれど噂はあっという間に広がった。
尾ひれがいっぱいついていったから振られた子っていう単純な噂じゃない。

悪意のある噂だった。

しかし、私は平然と学校に来て授業を受けた。
そんなものに負けたくなかったからだ。

わざわざ一年生の私を見たく二年生も三年生も、見に来てはこそこそと話す。

どうせなら見えないところでやってほしいものだと思う。

常識的に考えて。

嫌がらせなのだからわざとなのも知ってるけどいい加減ウザイ。

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