ホームのベンチに、二人で腰を下ろす。

「……………」

「……………」

気まずい。

チラッと翼くんを見ると、その横顔は少し怒っている様に見えた。

私は居たたまれなくなり、口を開いた。

「……あの……彼女と、仲良くやってる……?」

すると翼くんが、はぁ……と溜め息を吐き、

「やっぱり……。美里ちゃん、勘違いしてるみたいだけど、俺、アイツとより戻してないから」

と言った。

「え?……えぇっ!?なんで!?」

私は驚きの余り、叫んだ。

「ちょっ!声っ!」

翼くんが、シーッ!と人差し指を立てる。

「なんでって言われても、俺、もう他に好きな子いるから」

「えっ……」

他に好きな子?

そんな……。

どの道、私は失恋確定じゃん。

「……美里ちゃん、分かってる?」

「……へ?」

「俺、今告白してるんだけど」

「え、誰に?」

「美里ちゃんに」

翼くんの言葉に、今度は唖然としてしまった。