俺は,部活に出なかった。 ボールを触れなければ意味がない。 サッカーボールを蹴れないのなら意味がないんだ。 トボトボとボールを蹴りながら家に向かう。 ボムボムと俺に蹴られるたびにボールが泣く。 ビュン!!!! 「――――――っ!!?」 後ろから,すごい勢いで誰かが俺を追い越した。 「・・・・あの・・・制服・・・・」 見覚えがありすぎた。 無造作に腰まで伸びている長い茶色い髪。 カバンについているたくさんのぬいぐるみ。