「ムカツク・・・・あームカツク。」


俺は一人でグチグチ言いながら家で夕飯を食べていた。



「実,さっきからうっせぇよ。」

「関係ねぇだろ。兄貴には。」

「出た。」

「あ?」

「お前お得意の『関係ねぇだろ』。」

「・・・・なんだよ。」

「ホントお前友達なくすよ~?」

「・・・別にいらねぇし。」

「あ?なんか言った?」


俺の3つ上の兄貴。

平井学。

現役の大学生だ。


「ちょっとぉ,仲良くできないのぉ??」

「んねぇ,里香チャン。この冷たい弟を更生してよぉ。」

「うっせんだよいちいち!!」

「ケンカしないのぉ!」


んで,俺の目の前に座っているきれいな女は,

山崎里香。

兄貴の彼女で,家に何度も遊びに来ている。





俺も惚れかけたほどの美女だ。





俺の両親は共働きで,母さんが看護師,父さんがトラック運転士で,

2人とも帰ってこない時が多い。

そんな日にはたいてい里香が家に来てご飯を作って行ってくれる。