私には家族がいない。
小学校三年生のときに
交通事故でなくなった。
そのときの私は状況もつかめず
涙もでなかった。
お葬式のときも涙はでなかった。
冷たい子なのねと
周りにはすごい裏でこそこそいわれ
だれが引き取るかもめていた。
そして
「日和ちゃん。1人でもがんばるのよ。強くなりなさい。」
と親戚の名前も知らない人たちに言われ続けた。
そのときであった。
ボーッと立ち尽くしてた私のことを
力強くでも、優しく抱きしめた。
時音だった。
時「大丈夫。大丈夫。俺らがいる。日和には俺らがいる。俺らと一緒にがんばろう。」
時音は大粒の涙を流しながら
私を抱きしめた。
それに続いて
春樹も桜も奈央も私に抱きついてきた。
日「うわぁーーーーーーん。うわーーーーーーーーーーーん。」
お母さんたちが死んでから
私は初めて泣いた。
それから私たちはずっと一緒にいる。
いくら私が突き放しても
みんなが私についてくる。
そんなに優しくしなくていいのに。

