何故なら私達兄妹に血の繋がりはあるが
両親は五年前に亡くなった『光琳』の初代であり、本当の両親ではないからだ。
そして、私達の名前も違う。
私は榎本来夏
颯兄は榎本雷人
光琳の榎本大輝は、私達の実の兄だ。
私達兄妹は、まだ風神・雷神メンバーに
この事を伝えていない。
だからハッキングした情報を見ても
何が何だか分からないだろう。
でも風神の幹部である彼らは、何か察して雷神幹部達に呼びかけてくれた。
そして雷神幹部達も、呼びかけに受け入れてくれた。
雷神幹部達が六時間目の開始頃
高校に着いた。
ちなみに光琳は昼、屋上に入れなかったみたいだ。(10桁の暗証番号があるから)
空き教室で私はこの学校に光琳が来た事を話し、颯兄に光琳をハッキングした資料を見せた。
颯兄は凄く驚いていた。
私達兄妹がその資料を見て驚いている様子を見た幹部達は、何か気づいたのだろう。
自分達に闇があったように、この兄妹にも闇があったという事を。
まだその事はついて終わっていないのだという事を。
そして、自分自身がこの兄妹に甘えて全てを話していたが、この兄妹について何も知らない事を。
私と颯兄はそれを感じ、彼らに話す事にした。
私達兄妹が背負っている恐怖という名の
殺人事件を。

