屋上には大輝兄、颯兄、私の3人だけ。
これは私達が彼らに頼んだからだ。
颯兄は大輝兄を他人と思わせるように
話し始めた。
「待っていたぞ、榎本大輝。
君はちゃんと一人で屋上に来た。
だから情報を教えてやる。
お前は、榎本来夏と榎本雷人の事が知りたかったんだろ。
あの二人は生きている…
と言っても、名字も名前も違うが。」
大輝兄は目が潤んでいた。
「そっか…
生きていたならそれでいいんだ」
私はその言葉を聞いて大輝兄が
いつも言っていた言葉を思い出した。
「ねぇ、この言葉に聞き覚えはない?
《今辛くとも、いつか幸せは訪れる。
悲しい時は兄妹で悲しみを分け合う。
嬉しい時は兄妹で喜びを分かち合う。
いずれか別れは来るけども、兄妹で
過ごした絆は決して消える事はない。
その事を忘れなければ俺たち兄妹は
皆前に進めるのだから。》」
その続きを颯兄も呟き出した。
「「《自らを小さな者だと思わない。
信頼してくれる家族や仲間がいる限り。
支え合い、助け合うことで
我ら兄妹の絆が深まる。
他人を信じることができなくとも
信頼出来る仲間が出来た時
その人達の盾となり矛となる。
未来はきっと変わるだろう。》」」
大輝兄は静かに泣いていた。
「何故その言葉を知っているんだ。
君達は一体…」
私達は、大輝兄に本当のことを話そうと
して、まず問いかけた。

