皆も頷いて答えてくれた。
嬉しかった。
でも、幹部達が知らない私達の悲劇は
まだ幾つもある。
全てを話せる時はいつだろう。
私達はその時は既にこの世には存在していないのではないか。
私達は色々考えた。
それで、たどり着いた答えが
〈自分が死んでも、風神雷神は必ず守る
そして皆の居場所をつくる〉
という事なのだ。
私達は、その事を悟られないように
幹部達と話した。
「私達は、この事を大輝兄にも話さなせればいけないと思うんだ。
だけど、もう11年も会っていない兄と
どうしたらいいのかわからないんだ。」
私が言うと、皆は意見を出してくれた。
その中で一番良かったアイデアとして
《大輝を授業中に屋上に呼び出す》
という事だった。
学校で授業をさぼれる奴はあまりいないから、その時に呼ぼうという案だった。
そして翌日の二時間目に作戦は決行した。
朝早く、下駄箱に
『二時間目に一人で屋上へ来い。
お前の兄妹の情報を教えてやる。
この手紙の内容を教えたりすると
情報は教えない。
来るか来ないかはお前次第だ』
という紙を置いた。
大輝兄がずっと探していたのなら来ると
いう考えだったからだ。
二時間目…
大輝兄は屋上へやってきた。

