四月

桜舞い散る校門をくぐる。
まわりではわたしと同じ新入生が、これから始まる高校生活への期待を胸にキラキラした笑顔ではしゃいでいる。
そして、そんな新入生を部に勧誘しようと爽やかな先輩の仮面をかぶった狩人が狙っている。

けれどわたしはいつもと変わらない無表情で歩き続ける。
まわりの喧騒なんて聞こえないほど、落ちこんでいたから。