「上野さん、俺ね、確実に好きに
なったのは最初に告白した内容の
とおり何だけどもう1つ別に
あるんだ」

上野さんは何だろうと言う風に顔を

あげた。

「一年の時のお別れ会の事、覚えてる?」

そう聞くと上野さんはちょっと考えた後、

パッと目を見開いて頷いた。

「うん!覚えてるよ」

「じゃあ、俺と企画係が一緒だったのは
覚えてる?」

「………」

(あれ…)

上野さんの顔が段々と雲っていった。

(えーっと…)

「まぁ、まぁいいよ大丈夫だから」

「ごめんね」

上野さんが本当に申し訳なさそう

にそうにするから俺は必死で

「気にしなくていいから!」

と言った。

「で、一番言いたいのはそこじゃ無くて
お別れ会当日…正直普段あんまり目立たない
男子がギターをみんなの前でたった一人で
弾いたの覚えてる?」

「…うん!覚えてる!!」

(それは、覚えてるんだ…)

少し残念に思いながらも俺は続けた。