「だから、別れようって」

(やっぱり…か)

なんとなくそんな気がしていた、でも

見ないようにしていた。

(あれ、心構えはしてたんだけどな…
泣きそう)

「あーめんどくさいから泣くの止めて」

私は奏の冷えきった声にびっくりして

顔をあげた。そこにいたのは今まで

見たことも無い顔で聞いた事も無い声の

すべてが知らない奏がいた。