蜜漬けの恋

***
「で、昨日は夢のようだったと…
良かったねー」

絢香の電話越しに呆れたような声が

聞こえてくる。

「うんっ!」

しかし私はお構いなしにスルーして

目には見えない音符を着けて返事を

した。

「うんっ!てノロケ話かいっ!」

絢香のいつものツッコミが入る。

「でもさー居ないとは思って無かった
けどこんな身近だとは思わなかった」

絢香が神妙そうに言う。

「何が?」

「んー?いや、桐生君の事だよ…まるで
女子が恋愛で夢見てるようなこと
やるからさ…」

「………あー確かにそうだね。でも、きっと
奏は自然にやっちゃうんだよ」

私の言葉に絢香はクスリと笑って

「幸せそうで何より」

と言った。

「どういたしまして。」

「さて、じゃあそろそろお風呂だし
切るね、おやすみ~」

「うん!何かありがとう、おやすみ~」

そう言った後私は電話を切った。

切った瞬間何故だか分からないが

絢香の言った言葉が頭の中で再生された

『女子が恋愛で夢見てるような――――』

「……まあ、いっか。私もお風呂入ろ」

別に深く考える必要なんてないそう思った、

思ってしまった私はそそくさとお風呂の

準備を始めた。