蜜漬けの恋

「……っ!?」

顔の温度が一気に上昇する。鏡を

見なくても今自分の顔がすごく

赤くなっているのが分かる。

奏はニヤニヤしながら手を差し出して

来た。

「えっ?…」

私が言うと奏は

「はぁ…」

と深いため息をついた。

「手をつなぐ!これ結構伝わらないの
傷つくなー」

奏がいかにも残念そうに言うから私は

急いで手をつないだ。

(大きい)

男の人と手をつなぐは初めてでドキドキ

した。

「うーん…。これでも言いとは思うけど」

奏はそう言うと指を絡めてきた。

(っ!~)

「こっちの方が良いかなぁ?」

それは俗に言う『恋人つなぎ』だった。

「待って待って、ハードル高い!」

そう言っても奏は手を離すどころか

力を少し強くしてつないだ手を顔の横に

持って行くと意地悪そうに笑って

「ちょっと、無理かな」

なんて言うから私は何も言えなくなって

しまった。

「ほらっ、遅刻するから。行こう?」

そう言われた私はただ歩きだすしか

なかった。