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「やっと落ち着いた」

ふと、聞こえた絢香の声に辺りを

見渡すともう家の近くの住宅内に

来ていた。

「あれ?私…」

どうやら私は絢香に引きずられながら

学校から出てきたらしい

「ここは高校の通学路、あなたは
上野優羽さんです。私はあなたの友達の
紺野絢香です!」

「いや、記憶喪失になってないよ」

私は苦笑いしながらツッコんだ

「あっ、良かった~余りの衝撃に記憶喪失
なってるかと…」

「うん、まぁ思うよね…私もなってるかと
思った」

「にしても…桐生君どうゆうつもり
なんだろうね」

絢香は頭を抱えながら言った。

「もしかしたら、期待して良いのかな?」

絢香は目を見開き驚いた

「マジか!ついこの間まで夢と言ってた
君が!」

「うん」

絢香はまた、頭を抱え込んだ

「う~ん、仮に、仮に付き合えたとしても
回りの反応が大変だよ?目に見えてる」

絢香のごもっともな意見に何も

言えなかった。

「まぁ、わかんないけど変に意識しない方が
いいと思うよ?」

(そうだよね…)

「分かった!意識しないようにする!」

そう言うと絢香は静かに笑って頷いた

もう目の前に家が見えて来た。

絢香とはここでお別れだ。

「じゃ!またね」

絢香が笑顔で手を振る。

「うん、また明日ね!」

私も絢香に笑顔で手を振った。私はこの時

何も知らなかった。自分のこの状況が

大きく変わる事を…。