蜜漬けの恋

***
「おはよー」

晴れた朝の下駄箱で背後から声を

かけてきたのは絢香だった。

「おはようー」

まだ眠たい目を擦りながら言うと

「相変わらずだねー」

と絢香が笑った。

教室に行こうと絢香と歩き出すと

階段の横辺りに桐生君といつもの女子の

皆様がいた。横を通りすぎるだけなのに

ついこの前の休日を思い出して、ドキドキ

した。

(完璧に囲まれてるし気づかないよね…)

そう思って通りすぎようとしたときだった。

「あっ!優羽ちゃんと紺野ちゃんおはよー」

びっくりして声が聞こえた方を見ると

何人かの女子の中から顔を覗かせる

かのようにしてニコニコと笑っている

桐生君がいた。

(嘘っ!)

びっくりしたものの急いで返した

「おっ、はよー…」

そう言うと桐生君は相変わらずの笑顔で

ひらひらと手を振った。

「おはよー…」

絢香も挨拶を返したものの流石に動揺した

顔を見せた。