蜜漬けの恋

「おーい、優羽ー戻ってこーい」

私は絢香のその言葉にようやくハッと

意識を取り戻した。

「絢香……今、私桐生君に」

「うん」

「桐生君に可愛いって……可愛いって!
えっ!可愛いっって!!!」

「おーけー、落ち着こう、うん落ち着こうか
大丈夫ー?」

なだめるのと呆れたような絢香の声に

合わせるように私は何とか気分を落ち着けた。

「収まった?」

「……うん、収まった」

そんな私の様子を見た絢香は

「とりあえず、違う店行こうか…」

と言った。

***
「あーヤバイよー…桐生君本格的にヤバイ
格好いい、あんな至近距離ではヤバイ!」

言った後に私はココアを一口飲んだ

「優羽、気持ち分かるけど店内じゃなくても
テラスなんだから自重して」

と絢香は机に頬杖をつきながら軽く睨む

「ごめんごめん、でも格好いいと思わない?」

「うん、格好いいとは思うけど…チャラいわ…
ちょっと苦手かな~?」

とカフェオレを飲んだ。

「あれは、チャラいよりフレンドリーって
言うんだよ!フ・レ・ン・ド・リー」

私が言うと絢香は呆れたように首を

縦に振った。

「付き合うのは流石に夢過ぎるけど…」

私が言うと絢香も同意したように頷きながら

「止めとけ、回りを固めてる女子にやられる」

と言った。

「だよね…」

そこから後はいつものどうでもいい話で絢香と

クスクス笑いながらその日のお出かけは

終わった。