蜜漬けの恋

***
まだ、俺が幼い頃。親父と別れてすぐの頃。

とある事を母さんに聞いた

「ねぇ、母さんは何でそんな好きな人が変わるの?」

そう聞かれた母さんは一瞬びっくりした顔を

してから

「……何でだろうね?安定感が苦手なのかな~?
…恋愛は楽しいだけで良いの。それで」

と言った。

でもすぐに困ったような笑顔になったかと思うと

不意に俺を引き寄せ抱き締めて

「……ごめんね~、お父さん居ないと寂しいよね、ぇ」

その声は若干震えていた。

思い返して見れば母さんも何か過去にあったのかも

しれない、それが原因で上手く恋愛が出来なくて、

それを母さん自身も分かっていてそれで泣いて

いたんだと思う。