蜜漬けの恋

***
そこはあまり普段来ない広場だった。

中途半端な時間帯なのか人も少なかった。

(こんなとこあったんだ)

「はい、座って」

成瀬君にベンチに座るように言われ私は

座った。

ザーッと真上の緑の木々が揺れて木漏れ日が

チラチラと頭を照らす。

隣に座った成瀬君が困ったような、でも

温かい目で私を見る。

「……さっきのが、桐生奏?」

改めて聞かれて私は目を見ないで頷いた。

「…そっか、あいつか。」

どこか感情を押さえつけるように

成瀬君が呟いた。