蜜漬けの恋

***
チャイムが鳴って少し後だった。

「紺野!ちょっといいか」

そう言って影から絢香の事を呼んだのは

小川 拓也君だった。

「何だろ…優羽先にお弁当食べてて」

「分かった…」

絢香はそう言った私に軽く頷いてから

小川君の呼ぶ方へ歩いて行った。視界の

端では一軍女子のみんながまた一斉に

成瀬君の方へ行くのが見えた。

***
「何絡みなのかは予想がつく、で、なぜ!
本人じゃない訳?小川が来るのは
おかしいんじゃない?」

予想通りのきつめの言葉に俺はため息を

つきそうになった。

(はぁ~よりによってなんでコイツが
アイツが好きになったヤツの友達なんだよ)

正直、紺野の事は余り好きじゃない。

理由は…的確に相手の問題点を上げ、

完璧に黙らせてしまう会話術の持ち主

だからだ。だから多少理不尽な事でも

圧倒的大差で勝ってしまう。ちなみに

俺は一回負けている。正直言いたくないが

その時は俺が悪かった。

「まぁ、仕方ないか。友達があんな感じ
だし協力したくなるか」

「おう助かる。それでな、これから2週間
昼御飯を翔と上野さん二人で食べさせたいん
だけど…いいか?」