蜜漬けの恋

***
(どーしよ、もう昼休みだ…)

結局朝から全く上野さんに話しかけ

られていなかった。理由はとある軍団の

存在だ。

「翔君!昼御飯私達と一緒に食べよ?」

(ほら、来ちゃったよ…)

この子は畠中 美月(はたなか みつき)

話している感じだと多分この子がリーダー的な

存在だと思う。

「あーそれなんだけど…」

(ちゃんと言わないといけないんだけど
女の子だしな…言い方)

ドンッ、突然のその衝撃は拓也の腕が

首に回ってきたものだった。

「わっ!拓也君!」

いきなりの登場に流石の女子も驚いた

ように声を上げた。

「悪い!今日から翔と大事な用があるから
昼休みは一緒は無理なんだ、
ほんとごめんな」

(拓也!)

そう拓也が言うと畠中さんはちょっと

驚いてから考え込んでから

「分かった」

と言ってくれた、でも間髪入れずに

「どれくらい?」

と尋ねて来た。すると拓也もまた間髪入れずに

「一応、2週間…もしかしたらずっと?」

と言うので畠中さん含めの女子軍団は目を

見開いて。ワーワーと一斉に話し出すので俺は

「ごめんね?でも、大事な用だから受け入れて
くれると嬉しい」

そう言って、笑うと一斉にみんな

「いっ、いいのいいの。気にしないで?」

をそれぞれのニュアンスで次々に話しだした

「じゃあな」

「じゃあね」

そう言って俺達は若干の速足で

その場を去った。