蜜漬けの恋

「はははっ、何それ」

「率直に言うとこんな感じなん
ですよ、それに私には昌樹が
いるんでね…」

そう言いながら絢香は真っ黒で綺麗な

髪を左耳にかけた。照れた時のクセだ

「ほんっと、仲がいいね!何年に
なるんだった?」

「今年で、三年。昌樹は今のところ記念日
忘れた事無し!」

「マジで!いい彼氏さん持って良かったね」

そう言うと絢香は笑顔で

「ありがとうございます!」

言った。言ったところで聞き慣れた若干

大きい音のチャイムが鳴った。

(教科何だっけ)

そう思って時間割を見た

(数学…か、眠くならないように頑張ろ)

そう思った私は軽く自分のほっぺたを

両手で叩いた。