「まあ、隙があったら桃ちゃんのこと狙っちゃうかもね」

「えぇ…!」


「ほら、雨も少しずつ止んできたよ」

外を見るとさっきの雷雨より雨が小雨になっていて…


「残念。桃ちゃんと一晩泊まれるって期待してたんだけどなー」

「と、泊まらないもん…」


ははっと冗談っぽく笑う伊織くんは
いつもの伊織くんだ…


「桃ちゃんさ」

「な、なに…?」


「ありがとね。俺の気持ち聞いてくれて」

「っ…そ、そんな…」


「ほら、また泣きそうな顔しない」

「うぅ…だって…」


「あんまり泣いてると雷落ちるよ?」

「えっ…!な、なにそれ…」


泣いて雷落ちてくるなんて話聞いたことないよ