「そうです.

 槍から斧からドレス,

 果ては神の証の指輪…!

 あ,そうです.

 まずはこの指輪ですわ.

 これは決まっているの.」

そう説き終わると,下女は水神に指輪を渡した.

ところが水神は汗をかくだけで,何もしていない.

「これ,どうするんですか.」

下女は一瞬顔が引きつったが,下女は親指にはめていた指輪を外し,またつけるそぶりをつけた.

「こうするのです.」

水神は下女がしたように,親指に指輪をはめようとした.

がしかし,指輪の大きさは水神の親指よりも小さかった.

関節のところで止まっている.

「別に親指にこだわる必要はないのですよ.」

水神は何とか引き抜いて,隣の人差し指に何とか押し込んでいた.

「(そう言えば,この指輪,ジラスが見せてくれたのと似てるなあ…)」

その後他の神へ公開するまでには,かなりの時間がかかった.

一方,火神(ジラス)は,すぐ決まったようで,水上より一足早く公開されていた.