After -deconstruction "God Ideology"




 翌日,授業が終わると,早速二人は学校の外に出ていた.

その日はいつものように明るく,そしていつもよりさわやかな,まさに探検日和だった.

「おい,どこへ行くんだ?」

「学校の裏の方に小さな山があるんだ.

 今日はそっちへ行ってみようよ.」

カハシは目を丸くして言ってはいなかった.

昨日市場で出会ったスリの事を踏まえて提案をしたのだろう.

「山か…,そう言えば最近は海ばっかしだったからな.」

ジラスもキャサとよく遊んでいたあの森が懐かしくなっていた.


 道は徐々に狭くなり,いよいよ獣道のようになった.

しかし,山と入っても所詮は港町で,ジラスが思った程のものではなく,しらけた場所のように感じられた.

近くには立て札があって,よく見ればもうすぐ家が建ちます,という内容のものだった.

より一層がっくりした.

それとは対称的に,カハシにとっては大きな森に感じられた.

カハシのいたフリティカル国の首都フリティカルは木ではなく,工場が林立していて,そういう場所に比べたら,森であり,山であった.