その後,カハシは長髪のごつい顔をした人格の悪そうな兄ちゃんに捕まってしまった.
店には怪しげなジュエリーが並んでいる.
兄ちゃんもジュエリーをつけてはいるが,この店では買えない位高いものばかりのようにど素人のカハシから見ても感じられる.
「よう,坊主,何か買ってけよ.」
カハシはそんなものに興味はなかった,というよりも知らなかった.
幼い頃は服でさえろくに与えられなかった位である.
カハシは怖くなってしまい,とりあえず一番安いものを買ってさっさと帰ることを考えた.
そこで自分の持っていた財布を探ってみた.
そしてあることに気がついた.
財布がなかったのである.
(あ,さっきの…!)
カハシはお金がないことを伝えてその場を去った.
兄ちゃんはいい顔をしなかったが金がないなら意味がないと思い,また別のカモを探し始めた.
初めからそうしていれば問題はなかったのだろう.
もっとも,ここが人通りの多い中心街だからこれでよかったのである.
カハシは帰る途中もしかしたらあるかもしれないと思い,地面とにらめっこをしながら歩いたが,やっぱり見つからなかった.
仕方なくそのことを孤児院の長に打ち明かした.
長は怒りこそしなかったが,その代わりこう言った.
「今度はきちんとするのですよ.
今度やったら….」
店には怪しげなジュエリーが並んでいる.
兄ちゃんもジュエリーをつけてはいるが,この店では買えない位高いものばかりのようにど素人のカハシから見ても感じられる.
「よう,坊主,何か買ってけよ.」
カハシはそんなものに興味はなかった,というよりも知らなかった.
幼い頃は服でさえろくに与えられなかった位である.
カハシは怖くなってしまい,とりあえず一番安いものを買ってさっさと帰ることを考えた.
そこで自分の持っていた財布を探ってみた.
そしてあることに気がついた.
財布がなかったのである.
(あ,さっきの…!)
カハシはお金がないことを伝えてその場を去った.
兄ちゃんはいい顔をしなかったが金がないなら意味がないと思い,また別のカモを探し始めた.
初めからそうしていれば問題はなかったのだろう.
もっとも,ここが人通りの多い中心街だからこれでよかったのである.
カハシは帰る途中もしかしたらあるかもしれないと思い,地面とにらめっこをしながら歩いたが,やっぱり見つからなかった.
仕方なくそのことを孤児院の長に打ち明かした.
長は怒りこそしなかったが,その代わりこう言った.
「今度はきちんとするのですよ.
今度やったら….」
