脱出 その1


 ミナトシティからはるかに近い場所にフリティカルという国がある.

フリティカルはムカマハヤタのように近代化が遅れているわけではないし,フランデンのようにとりわけ優れているというような遺跡があるわけでもない.

フリティカルには工場が多く点在している.

そこでは物理的な攻撃をするための武器を作っている.

フリティカルの街はその工場の煙で晴れた日でもよどんで見える.

フリティカルはまた,武器が産品なので,武器ではない攻撃方法,つまり魔法と称されるものであるが,そういうものに対して弾圧を強めていた.