詩人はそこで持っていた手琴を一度だけ鳴らしてまた語り始めた.
どうやら手にしている手琴は合間に弾くもののようだ.
「リーフはいっしょに旅をしていたメアリという少女に惚れてしまうのです.
そしてこの航路の船の上で悩むメアリを後ろでそっと見つめていたそうです.」
「それで?」
ジラスは冷ややかに返した.
そうすると詩人は少し声を強くしてこう言った.
「ごほん.
とにかく,ここでは失敗してしまった.
最もこの時点では告白しなかったのでわからないが.
その後いろいろあったものの,結局は結びつくことができたのです.
まあ,この航路の船で恋を寄せれば,何かあっても最後には成就するという話なのです.」
詩人はそこで持っていた手琴を最後にもう一度鳴らすと,とっとと去ってしまった.
「…何だったんだろう.
まあ,今のおれには関係ないか.」
船はもうすぐペテルークに着くだろう.
賑やかな港町が遠くに見えた.
どうやら手にしている手琴は合間に弾くもののようだ.
「リーフはいっしょに旅をしていたメアリという少女に惚れてしまうのです.
そしてこの航路の船の上で悩むメアリを後ろでそっと見つめていたそうです.」
「それで?」
ジラスは冷ややかに返した.
そうすると詩人は少し声を強くしてこう言った.
「ごほん.
とにかく,ここでは失敗してしまった.
最もこの時点では告白しなかったのでわからないが.
その後いろいろあったものの,結局は結びつくことができたのです.
まあ,この航路の船で恋を寄せれば,何かあっても最後には成就するという話なのです.」
詩人はそこで持っていた手琴を最後にもう一度鳴らすと,とっとと去ってしまった.
「…何だったんだろう.
まあ,今のおれには関係ないか.」
船はもうすぐペテルークに着くだろう.
賑やかな港町が遠くに見えた.
