「なら,お前はどうなんだ?

 お前は神様が死んでいくのは問題ないというのか.

 お前は神ではないのか?

 神ならわかるはずだ.

 人間は神のために…」

「星神こそ,お忘れですか.

 なぜ神と人とを分けたのかを.

 星神はもう神ではない.

 神として君臨している意味がない.

 確かに人間は神に尽くす約束をしている.

 しかしそれは神が人間に幸せを与えるという条件の下であったはず.

 超津波で人間,この世界が幸せになることはあり得ない.」

「さっきから,我らを悪者であるかのような話をしているがそれは違うだろう.

 我ら毒や氷だけが不幸にしているとは限らないはずだ.

 お前が超津波に加勢しようが,止めようが,このままだと,俺らにとっては死あるのみだ.」

毒神が素早く動き,無神に体当たりで襲い掛かる.

毒神の手には毒があった.

「まあ,どちらにせよ,超津波は発動してしまった.

 もう呼び寄せたものにしか止められまい.

 だが,お前の息は止めなければならぬようだな.」

星神はただ腕を無神に叩きつけた.

それでも毒神の毒を受けた無神はそのまま急降下し,上昇を続けている津波と出会い,飲み込まれていった.

無神は無になってしまった.

ただそれだけだった.