*
ジラスとその母マリーは列車に乗っていた.
父ソラガスや友人のキャサとは,一時のお別れをしてきた.
何とか列車に乗り合わせることにも成功した.
ジラスは列車に乗るのが初めてだった.
ジラスはあの森に行く,そのこと以上に興奮していた.
マリーはお見舞いのことで頭が一杯だった.
列車に乗っている間に,お見舞いの自家製の日持ちする野菜類や村に伝わる薬やらを確認していた.
ジラスの方は汽車の煙のこない外のところに居た.
「これが汽車か…次は船が…楽しみだな.」
とは口で言うものの,キャサのあの一言がやはり気になっていた.
「だから,もう…会えないか….」
ちょうどその時汽車の汽笛が鳴った.
ジラスは車外にいたのでわからなかったが,車内ではフラメラスが近いことを知らせる人が歩き回っていた.
今ジラスは指輪を見つめていた.
「この指輪がお護りになる…」
「お,お客さん,もうすぐフラメラスに着きますよ.
船に乗るなら,前の方に行ってください.」
仕事でやってきた乗務員は例によって無愛想にそう言って,さっさと去ってしまった.
ジラスは少しだけ何か思ったような気がしたが,忘れてしまった.
すぐにマリーのいる車両のところに戻っていった.
ジラスとその母マリーは列車に乗っていた.
父ソラガスや友人のキャサとは,一時のお別れをしてきた.
何とか列車に乗り合わせることにも成功した.
ジラスは列車に乗るのが初めてだった.
ジラスはあの森に行く,そのこと以上に興奮していた.
マリーはお見舞いのことで頭が一杯だった.
列車に乗っている間に,お見舞いの自家製の日持ちする野菜類や村に伝わる薬やらを確認していた.
ジラスの方は汽車の煙のこない外のところに居た.
「これが汽車か…次は船が…楽しみだな.」
とは口で言うものの,キャサのあの一言がやはり気になっていた.
「だから,もう…会えないか….」
ちょうどその時汽車の汽笛が鳴った.
ジラスは車外にいたのでわからなかったが,車内ではフラメラスが近いことを知らせる人が歩き回っていた.
今ジラスは指輪を見つめていた.
「この指輪がお護りになる…」
「お,お客さん,もうすぐフラメラスに着きますよ.
船に乗るなら,前の方に行ってください.」
仕事でやってきた乗務員は例によって無愛想にそう言って,さっさと去ってしまった.
ジラスは少しだけ何か思ったような気がしたが,忘れてしまった.
すぐにマリーのいる車両のところに戻っていった.
