After -deconstruction "God Ideology"

「いいえ,違うのです.」

光る球が一層強い光を放つ.

「この世界はもうだめな世界なのです.

 今,この世界を強すぎる最高の光で殺菌しなければなりません.」

「超津波は術者でさえ耐えられないはず.

 新しい世界で何をする?」

「理想の世界.

 ああ,汚された大地が浄化されていく.

 快感です.

 術者を失うのは確かに痛い.

 でも彼らもいずれは死ぬ.

 それでも私は神なのですから.

 神でない者は神のために奉仕するのが当然というものでしょう.

 まあ,悪しき闇に理解されるとは思わないですけ…」

「ついに始まっちまったか.」

地上にいる毒神と氷神の足元にはどこからともなく水がやってきていた.

まだ靴よりは上には到達していないものの,水が頭まで来るのは時間の問題だった.

「結局のところ,この星なんてこんなものなのですよ.」

球の中から聞こえてくる月様の嬉しそうな言い方は不気味だ,と毒神や氷神は思った.