無1
「空上対決」


 あるところに星がありました.

その星にはまだ命がなく,水がなく,土がなく,風がなく,暖がなく,聖なるものがなく,雲がなく,毒がなく,寒がない,何から何までなんにもなかったのです.

まだその星はできたてで,どうなるか誰にもわかりませんでした.

そんな星を哀れに思った神様は自分がこの星を守っていこうと,この星の神様になられました.

周囲におられた月の神様も同じように神様になられ,二人の神様はこの星の神となったのでありました.