After -deconstruction "God Ideology"

「それでは聞こう,何が目当てなんだ.

 金以外に何があるというのだ.

 …わかった.

 事が落ち着いたころを見計らって俺を殺す気だな.」

「少しは冷静になられたらどうですか.

 あなたがどこかで金にまみれて遊んでいる限り,あなたを殺す価値もありませんのよ.

 私達もそんなに暇人ではないのでね.

 あなたを殺しても金以外には何もないのですよ.

 本当に殺したいのなら,今すぐここで殺してしまっていますわ.」

スーイアが目を閉じてすぐに指先から氷の波動が大統領のいた机を覆った.

机は抵抗するわけでもなく,氷に閉ざされた.

「我々が欲しいのは,ガゴス国がフリティカル=アーメルス連合の支配下になったという事実と我々の反逆者に立ち向かうだけの兵だ.

 どちらにせよガゴス国はこの素晴らしい協定を反故にすれば,フリティカル=アーメルス連合軍,ありえないが我らの敵のいずれかに攻撃される運命にある.

 まあ,我らの足元にも及ばないがな.

 今ここで協定を結べば,ガゴス国民の命とあなたの財産を守ろう.

 何も断る理由はないだろう,金持ちの大統領さんよ.」

 ジムが大統領の肩を軽く二,三回叩いた.

 翌日,ガゴス国がフリティカル=アーメルス連合の一員になったとガゴス十六世は国民に向かって演説した.