辺りは徐々に黒味ががかってきていた.

 オキガミ村は,この時間になると,冷たい,矢のような風が吹くようになる.

「氷風か.」

「…こおり…かぜ?」

「そうだ,氷と風だ.

 魔力の源は失ったが,ゼロというわけではないのだ.」