独立神はまたカハシを抱えて空の上にいた.

自分も使えるはずなのに,カハシは今しがたやっと慣れたようだった.

「どうして,もう神ではない僕にそんな事を教えてくれるのですか.」

カハシはナルカではないものにも,やっと慣れたようだ.

余裕が出てきたのかもしれない.

「神ではないからこそ教えるのだ.

 いずれ神はいなくなる.自ら無にしようとしているのだ.」

「いなくなるって,それじゃあジラスも….

 独立神も….」

空の上でカハシは暴れた.

ほんの少しだけ独立神の体が揺れる.

「その通りだ.

 幸せなことにお前はもう神ではない.

 人間だ.

 お前にどんな儀式をさせても洗脳できなかったからな.

 だからお前の代わりを作った.

 お前の代わりはあっても,水神の代わりはないというのだ.

 水神だけではない.

 儀式をさせる星神や月神のやり方に反発する神もいた.

 人の冷たいところを増幅させる氷神と相手を攻撃することを役目とする毒神,つまり闇軍団だ.

 彼らにも良いところがあるだろうが,負の部分ばかりを受けさせたのも星月に対する反抗に繋がったのだろう.

 星と月はこの星を支配する事を目的としている.

 離反した彼らを許しておくわけにはいかない.

 それが現在の対立だ.

 そうすることによって,彼らは全ての属性の中から自分の悪いところを追い出したのだ.」

カハシは暴れるのをやめてまた黙り込んだ.

しかし,ずっと真剣に耳を傾けていた.