フリティカルの中の奥深く,そこが最高意志決定機関である.

スーイアとジム,闇軍団である.

「わかった.

 ヤルサ兵器工場長.

 いつでも発射できる準備をしておくように.

 それだけだ.」

ジムは平坦に,素っ気無く答えた.

「あまり興味がなさそうですね.

 まあ,次の王が私に来れば何の問題もないのですが.」

ヤルサはそれだけ残すと,それ以上の執着も示さず,地上へと戻っていった.

それを見計らったように,スーイアがジムの前に出ていた.

「危ない奴ね.

 裏切らないか心配になってくる.」

「そうだな.

 あいつは元水神の実父だからな.

スーイアとジムは周囲を見回した.

気配が感じられない.

「まあ,そんなに逆立つこともなかろう.

 私は忠告に来ただけだ.」

「無神か.

 これはまた何か?」

「怒るのはやめたほうがいい.

 今こそ冷静になるべきだと思わないか.

 毒神に氷神.」

「それで,ご丁寧な無神.

 何の忠告かしら.

 元水神のこと?

 そんなことは知っているに決まっているじゃない.

 それとも堂々と視察かしら.」