After -deconstruction "God Ideology"

青年と少女はカハシが起きようとしているのがわかると,青年がカハシの背中を支え,少女がカハシの手を引っ張った.

そしてカハシも二人の協力を得て,体を起こすことができた.

「ありがとうございます.

 …でも残念ながら,僕は神様ではありません.」

カハシは目を下に向けていた.

「空から降ってこられるのは神様だって….」

「空の上には神しか住んでいません.

 しかし,もう僕はそうではなくなってしまった.」

「これ以上は聞かないほうがよさそうですね.

 まだ,お疲れでしょう,」

「いや,もう大丈夫です.

 それよりも,ここはどこなのですか.」

「ここは…」

そのとき入口の扉が開いた.

「だから言っただろう,カハシ.」

光の加減でよく見えなかったものの,男のように見える.

しかも聞いたことのある声だった.

「あなたは確か…」