After -deconstruction "God Ideology"

「我が下僕の神たちよ.

 本日はおそらく不幸の時代の最後の絶告になることを私は信じているし,信じない方法はない.

 我々の持ちうる資産を再点検してみたところ,おそるべく偉大な力を持ち合わせていることがわかった.

 その力が最大限に活用されれば,この世から闇という闇は消えてなくなるだろう.

 その先にあるものは,我々の世界であり,平和が保たれている世界だ.

 さあ,我々の世界を創ろうではないか.

 さあ,さあ,まず,火神がミナトシティに火を放ち,風神が残骸を吹き飛ばし,土神が土に戻し,その後に雷神が暗雲を呼び,水神が全てを無にする.

 その後生神は新しい世界に新しい生命を植えつける.

 聖神はこの全体のプロセスを聖なる仕事に仕立て上げるのだ.」

星様の演説は他の神を引きつけるのには十分だった.

パーティーではなく絶告だった.

しかも過去には類を見ない絶告だった.

神がひととおり揃い,結末が近いことも示唆している.

そこにいる,部屋にいる全ての神はそのことをすぐに察した.


 水神は声を押し殺した.

自分が呼ばれていないのに絶告が行われていた.

「まさか…そんな…全てを無にする…僕が…でも…」

その場に崩れてしまった.

扉に当たったが,他の人にとってはどうでもいいことだった.