After -deconstruction "God Ideology"

 それからしばらくもたたないうちに,星月様のいる秘密の黒い部屋の扉を開ける者がいた.

扉の方に見えるその姿は,光り輝くほどのまばゆさと透明さを併せ持っているように見える水色の衣をまとった,どこかニブそうでドンくさそうに,自身がないようで弱弱しそうな青年,そう,水神だった.

「おい,こいつが本当に水神か.

 あの役立たずとそっくりではないか.」

星様は身を乗り出すどころか,座っていた王座から数歩歩いて罵声を浴びせた.

「同じなのは姿かたちだけひけ.

 行動と精神は前のものとは比べものにならないひけ.

 姿形は水神の水神らしさが親子にあるから仕方ないひけ.」

「私は水神と申します.

 星様,月様,これからよろしくお願いします.」

外見は信じられないような凛々しく,力強い声であった.