「多分違うひけ.

 火神と生神は知り合いだったひけ.

 それであわてていたひけ.

 心配はいらないひけ.」

「なるほど.

 火神と生神はそうなのか.

 まあ,覚えておこう.

 御苦労だったな,」

ひけーこんは報告を終わらせたことを示すように星様に頭を下げた.

星様は眉を上下に動かし,うなづきはしたもののその時はそれ以上何もしなかった.

ひけーこんは部屋を出て行った.


 間もなくだった.

独り構えていた星様の前に閃光が放たれた.

部屋全体が震えた.

星様は召喚の魔法を使ったのだ.

閃光は霧へと変化し,再び一面を覆った.

「さあ,生き神よ.

 いや,生き神になるべくして生まれし人間よ.」

不思議なことだった.

まるで霧が消えるような魔法の言葉だった.

閃光のあとにはひとりの女性がすっと立っていた.

「よく戻ってきた.

 お前は生神にふさわしくなった.

 しかし,お前はまだ生神ではない.

 でも,お前は生神になれる.さあ,私のところに来なさい.

 私が生神にしてやろう.」

「はい,わかりました.」

生神になろうとする者は磁石のように星様に吸いつけられるように引き寄せられていった.